2007年 04月 07日
きっこの日記からの転載です。 今から15年前の1992年6月11日、ブラジルのリオデジャネイロで開催された国連の「地球サミット」の壇上に、「子供の意見も聞こう」というユニセフの発案で、カナダの12才の少女、セヴァン・スズキが立った。そして、各国の首脳や代表者たちの前で、今や「伝説のスピーチ」とも呼ばれてる素晴らしい演説をした。 みなさん、こんにちは。 わたしは、セヴァン・スズキといいます。エコ(ECO: Environmental Children's Organization)というグループを代表して、ここに来ました。わたしたちは、カナダの12才と13才の子供のグループで、自然環境を守るための活動をしています。わたしたちは、自分たちだけでお金を集めて、カナダからブラジルまで、1万kmの旅をして来ました。それは、あなたがた大人に、どうか生き方を変えていただくようにと、お願いするためです。 今日、わたしが話すことは、すべて嘘のない本心の言葉です。なぜなら、わたしたちが環境問題に取り組んでいるのは、わたしたち自身の未来のためだからです。わたしたち子供が、自分たちの未来を失うということは、あなたがた大人が、選挙で負けたり、株で損をしたりすることとは次元が違う問題なのです。わたしがこれから話すことは、あなたがた大人が死んだあとも、この地球で生きて行かなくてはならないわたしたち子供のためなのです。世界中の飢えに苦しむ子供たちの泣き叫ぶ声は、あなたがた大人の耳には届きません。どこにも行くところがなく、次々と絶滅して行く数え切れないほどの生き物たちのことも同じです。だから、世界中の子供たちや生き物たちに代わって、わたしが話すのです。 わたしは、外に出てお日様にあたるのが恐いのです。それは、オゾン層に穴が開いているからです。わたしは、息をするのも恐いのです。それは、空気中にどれほど危険な化学物質が混じっているか分からないからです。わたしは、お父さんと一緒に、よくバンクーバーへ魚釣りに行っていました。でも、数年前に、全身がガンに冒されている魚を見てからは、魚釣りも恐くてできなくなってしまいました。今、毎日のように、多くの動物や植物が絶滅しています。そして、一度絶滅してしまった生き物は、二度と戻っては来ないのです。 わたしには、小さいころからの夢がありました。それは、いつか、野生の動物たちの群や、たくさんの鳥や蝶が飛び交っているジャングルや熱帯雨林を見ることでした。でも、わたしは見ることができても、わたしが大人になった時に、わたしの子供たちは見ることができるでしょうか? あなたがた大人は、わたしくらいの年令の時に、今のわたしと同じように、未来の自分の子供の心配をしたことがありますか? わたしたちの目の前で、こんなに大変なことが、ものすごいスピードで起こっているのに、わたしたち人間は、とてものんびりと構えています。まるで、「まだまだ余裕はあるさ」「すぐに解決するよ」とでも思っているかのように。わたしは子供なので、この危機を救うためにどんなことをしたら良いのか、はっきりとは分かりません。そして、あなたがた大人も、本当の解決法など持っていないと思います。だから、せめて、「本当の解決法など持っていない」ということだけは、自覚して欲しいのです。 あなたがた大人は、オゾン層に開いた穴をどうやってふさぐのか知らないでしょう。死んだ川に、どうやってサケを呼び戻すのか知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか知らないでしょう。そして、砂漠になってしまった場所に、どうやって緑の森をよみがえらせるのか知らないでしょう。 だから、お願いです。大人のみなさん、どうやって直すのか分からないものを これ以上壊し続けるのはやめてください。 ここに集まっている大人のみなさんは、いろいろな国の政府の代表者や、企業や団体の代表者、そして、報道関係者の人たちです。でも、そんなみなさんでも、本当は、誰かのお父さんであり、お母さんであり、兄弟であり、姉妹であり、叔父さんであり、叔母さんですよね。そして、ここに集まっているすべての人が、誰かの子供ですよね。 わたしは、まだ子供ですが、それでも、自分が大家族の一員であることを知っています。それは、50億人以上の「人類」という大家族であり、3000万種類以上の「生き物」という大家族です。いろいろな国の政府や国境が、どんなに分け隔てをしようとも、わたしたち地球で生きるものたちが1つの大家族だということは、絶対に変えることができません。 わたしは、まだ子供ですが、それでも、自分が大家族の一員であることを知っています。そして、この大家族のみんなが、それぞれかけがえのない命として、同じゴールに向かって進んで行かなければならないことも知っています。わたしは、今のひどい環境を見て、怒りで心が震えていますが、それでも、自分を見失ってはいません。わたしは、今のひどい環境を見て、恐怖で体が震えていますが、それでも、自分の気持ちを世界の人たちに伝える勇気を持ち続けています。 わたしの国では、たくさんのゴミを出しています。買っては捨て、買っては捨て、その繰り返しをしているからです。そして、そんなにたくさんの物を無駄にしている北の国は、物が不足している南の国と分かち合おうとはしません。あり余るほど物が溢れているのに、わたしたちは、それを手放すのが恐いのです。カナダで暮らすわたしたちは、とても恵まれた生活をしています。食べ物も、水も、お家も、何でも十分にあります。時計、自転車、コンピューター、テレビ‥‥と、持っている物を数え上げたらきりがありません。 2日前、ここブラジルで、お家の無いストリートチルドレンの子供たちと話していて、わたしたちはとてもショックを受けました。それは、1人の子供が、こう言ったからです。 「もしも、ぼくがお金持ちだったら、お家の無い子供たちみんなに、食べ物も、着る物も、住むところも、お薬も、何でもあげるのに。それから、愛情とやさしさもね」 住むところもなく、今日、食べる物もない1人の子供でさえ、自分のことだけでなく、みんなと分かち合うことを考えているのです。それなのに、何でも持っているわたしたちは、どうしてこんなにも欲が深いのでしょうか? この子供たちは、わたしと同じくらいの年令でした。わたしは、自分と同じくらいの年令の子供たちが、こんな生活をしていたことが、とてもショックで頭から離れません。同じ人間なのに、同じ大家族の一員なのに、「どこで生まれたか」ということだけで、こんなにも大きな差ができてしまうのです。もしかしたら、わたしだって、ここブラジルのストリートチルドレンだったかも知れないのです。そして、飢えに苦しむソマリアの子供だったかも知れないし、インドで物乞いをしている子供だったかも知れないし、大人たちの戦争の犠牲になった中東の子供だったかも知れないのです。 わたしは、まだ子供ですが、それでも知っています。世界中の国の大人たちが戦争に使っているお金を ぜんぶ平和のために使えば、環境や飢餓の問題のために使えば、この地球が、どんなに素晴らしい星になるかということを。小学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたがた大人は、わたしたち子供に、「世の中ではこうしなさい」といろいろなことを教えてくれます。たとえば、「人と争ったりケンカをしてはいけません」「ものごとは話し合いで解決しなさい」「他人の気持ちを尊重しなさい」「自分が散らかしたら自分でかたずけなさい」「生き物をいじめたり傷つけてはいけません」「何でもみんなで分かち合いなさい」、そして、「欲ばってはいけません」と。 それなら、なぜ、あなたがた大人は、わたしたち子供に「するな」と言うことを 自分たちはしているのですか? みなさんは、今日、何のためにこの会議に出席しているのか、どうか、そのことだけは忘れないでください。そして、こういった会議を誰のためにやっているのか、それは、あなたがたの子供のため、つまり、わたしたちのためなのです。みなさんは、こういった会議で、わたしたちの未来を決めようとしているのです。 親たちは、子供をなぐさめる時に、よく、「だいじょうぶだよ。心配するな」とか、「できるだけのことはしてるから」とか、「この世の終わりというわけじゃないんだから」と言いますよね。だけど、今の地球の環境を見たら、もうこんな言葉を自分の子供に向かって言えないと思います。わたしたち子供の未来のことなんて、みなさんの議題の中にすら入っていないじゃないですか。みなさんは、わたしたち子供の未来のことを本当に考えてくれているのですか? わたしのお父さんは、いつも、「人間の価値は、何を言ったかではなく、何をしたかで決まる」と言っています。でも、わたしは、あなたがた大人が、この地球に対してしていることを見て、毎晩、泣いているのです。それでも、あなたがた大人は、わたしたち子供を「愛している」と言います。本当なのでしょうか? 本当にわたしたちのことを「愛している」と言うのなら、言葉ではなく、どうか、それを行動で示してください。 最後まで聞いてくださって、ありがとうございました。
by ilifeservice
| 2007-04-07 18:31
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